高松市のデータセンター誘致は進む?香川県不動産市況への影響と価格動向を解説の画像

高松市のデータセンター誘致は進む?香川県不動産市況への影響と価格動向を解説

不動産コラム

川田 直紀

筆者 川田 直紀

不動産キャリア2年

高松市で不動産の仕事をしています。祖父の代から続く会社を受け継ぎ、売却や相続、土地の相談などを一貫して対応しています。誠実さとスピードを大切にしながら、お客様の不安や疑問に丁寧に向き合うことを心がけています。地元の暮らしに役立つ不動産情報をわかりやすくお届けします。

香川県では、ここ数年でデータセンター誘致が本格化し、不動産市況にも変化の兆しが出始めています。
特に高松市では、AI開発用GPUを活用する大規模なデータセンター構想や、GX戦略地域としての取り組み、スマートシティ関連の施策が同時並行で進んでおり、これらが将来の地価や賃料にどのような影響を及ぼすのか、関心を持つ方が増えてきました。
しかし、実際に購入や売却を検討する段階になると、エリアごとの違いや、住宅・商業・工業系など用途別の価格動向をどのように見極めればよいのか、迷う場面も多いはずです。
この記事では、香川県の不動産価格への影響を知りたい方向けに、データセンター需要と不動産市況の関係、高松市の最新動向、そして具体的な判断のポイントを整理してお伝えします。

高松市のデータセンター誘致と香川県の方針

香川県は、急速に進展するデジタル化と生成AIの普及を背景に、データセンターの地方分散を成長戦略の柱として位置付けています。
とくに「せとうち企業誘致100プラン」においてデータセンターを重点業種とし、災害リスクや電力供給面での優位性を生かした立地環境の魅力発信に力を入れています。
こうした方針の下で、高松市周辺にサーバー拠点を集積させることで、地域産業の高度化と雇用創出を同時に実現することが狙いとされています。
不動産市況の面でも、情報通信関連施設の集積は、将来的な土地利用の高度化につながる要素として注目されています。

この方針を象徴する事例として、AI開発用GPU専用データセンターの立地が挙げられます。
香川県は、GPUクラウドサービス事業者によるデータセンター設置を支援し、「AI開発用GPU専用データセンター」が中四国で初めて高松市に開設されました。
さらに、廃校施設を活用したGPUデータセンター「綾川町データセンター」が開所し、地域資産の再生と最先端の計算インフラ整備を両立させる取り組みも進んでいます。
これらの動きにより、周辺では情報通信関連企業の進出や、関連するオフィス需要の拡大が見込まれており、中長期的な不動産需要への波及が期待されています。

加えて、香川県は国の「GX戦略地域」において「データセンター集積型」の有望地域に選定され、脱炭素と産業集積を一体で進める方針を示しています。
高松市では「スマートシティたかまつ推進プラン(2022~2024)」に基づき、デジタル基盤整備やオープンデータ活用、人材育成などを通じて、IT・デジタル企業の集積と行政サービスの高度化を進めています。
さらに香川県は、GPUを含むAIインフラを提供する半導体企業と連携協定を結び、AI向けデータセンターや関連企業の誘致、県内企業のAI活用支援、人材育成を包括的に進める体制を整えました。
このように、エネルギー政策とスマートシティ施策、企業誘致策を組み合わせることで、地域全体としてデータセンターとIT企業の集積を図る戦略が打ち出されています。

施策の区分 主な内容 不動産への示唆
企業誘致方針 データセンター重点誘致 業務系需要の底上げ
GX戦略地域 脱炭素と集積支援 インフラ投資の加速
スマートシティ施策 デジタル基盤整備 中長期の土地高度利用

データセンター需要が不動産市況にもたらす一般的な変化

国内では、データセンターがまとまって立地する地域で、周辺の土地価格や賃料に上昇圧力がかかる傾向が指摘されています。
とくに、堅固な地盤や災害リスクの低さ、電力供給の安定性などを理由に選ばれた地域では、データセンター用地そのものの取得競争が強まりやすく、物流施設や工業系用途との競合も生じています。
一方で、電力制約や住民との調整負担から、大都市中心部よりも郊外や地方への分散立地が進んでおり、これらの地域の不動産市況に新たな需要が波及しつつあります。
このように、データセンター需要は、周辺一帯の地価や賃料を中長期的に押し上げる要因として認識されています。

データセンターの立地には大量の電力を安定的に供給できる体制が不可欠であり、そのために変電所の増強や送電網の整備が進められる事例が見られます。
この電力インフラ整備は、同じエリアに立地する他の事業所や工場などにとってもメリットとなり、工業系・準工業系の土地需要を高める要因となります。
さらに、建設段階の工事従事者や、稼働後の運営・保守要員の雇用が増えることで、通勤圏内の住宅需要や生活関連施設の需要がじわじわと拡大する動きも確認されています。
結果として、電力インフラと雇用の両面から、周辺一帯の土地利用が高度化し、不動産の利用価値が高まる構図になりやすいといえます。

もっとも、価格変動のあらわれ方は、住宅地・商業地・工業系用途で異なることに注意が必要です。
工業系や準工業系のエリアでは、データセンター用地や関連施設用地としての需要が直接強まるため、地価や賃料が相対的に大きく押し上げられる傾向があります。
一方、住宅地では、雇用増加による居住需要の高まりがある一方で、騒音や景観、交通量増加への懸念が出ると、新規立地に一定の規制や制限がかかり、価格上昇が抑えられる可能性も指摘されています。
商業地については、従業員や関係事業者の増加に伴い、飲食・サービス系の店舗需要が高まり、駅周辺など利便性の高い場所を中心に賃料がじわじわと底上げされるパターンが見られます。

用途区分 価格・賃料への主な影響 注意すべきポイント
工業系・準工業系 データセンター用地需要増 電力容量確保と用途競合
住宅地 雇用増による居住需要 騒音や景観と規制動向
商業地 従業員向け店舗需要 人流変化と賃料水準

高松市・香川県の不動産価格動向とデータセンター関連性

高松市の公示地価は、国土交通省公表データを基にした統計によると、全用途平均でみると近年は緩やかな上昇と横ばいが続いています。
例えば、全用途平均価格は令和6年公示で約8万円/㎡台となっており、対前年変動率はおおむねプラス圏で推移しています。
また、住宅地と商業地を比べると、中心部の商業地で上昇率がやや高く、周辺部の住宅地では小幅な動きにとどまる傾向が見られます。
このように、用途や立地によって地価の動きが分かれることが、高松市の最近の特徴といえます。

一方で、高松市では情報通信関連企業の集積拠点において、AI開発用GPU専用データセンターの設置が進められており、地元自治体もデータセンター誘致に積極的に取り組んでいます。
さらに、香川県は国のGX戦略地域のうち「データセンター集積型」の有望地域として選定され、データセンター関連投資が期待されるエリアとして位置付けられています。
こうした動きは、まず業務系施設や研究開発拠点が集まる地域で土地需要を押し上げやすく、中長期的には周辺の事務所需要や関連企業の進出にも波及する可能性があります。
ただし、現時点では高松市全体の公示地価に直ちに大きな跳ね上がりが見られるわけではなく、影響はエリアごとに段階的に表れている状況です。

今後の市況を考えるうえでは、現時点の価格水準と、データセンター関連投資がどの程度持続するかを分けて見ることが重要です。
高松市の公示地価は、長期的には下落局面を経たのち、近年は下げ止まりから緩やかな持ち直しに転じていると整理できますが、上昇幅は大都市圏と比べると穏やかです。
今後、GX戦略地域としての支援策や、データセンターの追加立地が進めば、業務系用途を中心に底堅い価格推移や、局所的な上昇といったシナリオが想定されます。
一方で、人口動向や金利動向によっては、住宅地を中心に横ばいから微増程度にとどまる可能性もあるため、最新の公示地価や取引事例を継続的に確認しながら判断することが大切です。

区分 現在の概況 今後の想定シナリオ
住宅地全体 緩やかな上昇基調 横ばいから微増推移
商業系集積地 上昇率やや高め 業務需要で底堅い推移
データセンター関連地 個別に需要増加 投資進展で局所的上昇

香川県で不動産購入・売却を検討する際の実務的な考え方

香川県では、GX戦略地域の有望地域に選定されたことや、GPUを活用するデータセンターの立地協定締結などにより、デジタル関連投資が進んでいます。
そのため、今後の不動産価格を考える際には、従来の立地条件に加えて、データセンター関連の動きが周辺環境に与える影響も意識することが大切です。
具体的には、電力インフラや産業集積が進みやすい地域かどうかを確認し、将来的な需要の厚みを見極めながら、用途別にエリアを検討する視点が重要になります。

まず購入を検討する場合は、居住用と事業用で重視すべき点が異なります。
居住用であれば、通勤や生活利便性に加え、データセンター関連施設との距離、送電設備などインフラ整備の進捗を総合的に確認することが有効です。
一方、事業用や投資用では、情報通信関連企業の集積が見込まれる地域か、公的な企業誘致プランとの整合性があるかなど、中長期の需要を支える要素を丁寧に見ていくことが求められます。

売却を検討する場合は、直近の公示地価の動きや、周辺での企業立地ニュースを整理し、自身の不動産がデータセンター関連需要の波及を受けやすい位置付けかどうかを把握することが大切です。
また、固定資産税評価額と市場の取引価格水準には差があるため、公的な価格情報と実際の成約事例の両方を踏まえて価格感を確認する必要があります。
このように、購入側と売却側で視点を整理しつつ、香川県全体の産業政策と不動産市況のつながりを意識して判断していくことが重要です。

目的 確認したいポイント 意識したい時間軸
居住用購入 生活利便性とインフラ整備状況 今後5〜10年の暮らしやすさ
事業用・投資用購入 企業誘致方針と需要の厚み 中長期の賃料・需要の安定性
売却 公示地価と周辺取引動向 直近数年の価格トレンド

まとめ

高松市のデータセンター誘致は、香川県全体の不動産市況に中長期で影響し得る大きな動きです。
電力インフラ整備や雇用増加により、業務系だけでなく住宅・商業系の需要が高まる可能性があります。
一方で、エリアや用途によって価格の変化は異なるため、慎重な見極めも欠かせません。
当社では、公示地価や都市計画情報などの公的データと、現場の取引感覚を組み合わせて、購入・売却のタイミングやエリア選定を丁寧にご提案しています。
香川県内での不動産戦略を具体的に相談したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

”不動産コラム”おすすめ記事

  • 高松市常磐街の再開発はどう変わる?2026年計画概要を専門家が解説の画像

    高松市常磐街の再開発はどう変わる?2026年計画概要を専門家が解説

    不動産コラム

  • 高松市への移住は今が注目のタイミング?サンポート高松再開発で変わる都心と2026年の暮らしの画像

    高松市への移住は今が注目のタイミング?サンポート高松再開発で変わる都心と2026年の暮らし

    不動産コラム

  • 高松市多肥駅開業でどう変わる?2026年土地価格の推移と購入判断のポイントの画像

    高松市多肥駅開業でどう変わる?2026年土地価格の推移と購入判断のポイント

    不動産コラム

  • 高松市の農地造成費用は高い?2026年の相場と内訳をわかりやすく解説の画像

    高松市の農地造成費用は高い?2026年の相場と内訳をわかりやすく解説

    不動産コラム

  • 丸亀町商店街再開発の歴史とこれまでの経緯は?2026年高松の街づくりの行方を解説の画像

    丸亀町商店街再開発の歴史とこれまでの経緯は?2026年高松の街づくりの行方を解説

    不動産コラム

  • サンポート高松の2026年公園整備計画は?移住前に生活環境の変化をチェックの画像

    サンポート高松の2026年公園整備計画は?移住前に生活環境の変化をチェック

    不動産コラム

もっと見る